関西から御来店のお客様から一組のカトラリー
を渡され、それに合う器を所望された。今まで
にない展開に戸惑いを隠せないまま、在庫の
中から幾つかを見て頂くが、どうやら「こ
れっ!」と思える作品には届かなかった様子。
このスプーンとフォークはデンマークの建築家
アルネ・ヤコブセンが SASロイヤルホテルの為にデザインし、後にSF映画「2001年
宇宙の旅」でも使用された物との事。これまでも器と料理の関係については、常々想いを巡
らして来た積もりではありましたが、カトラリーなどテーブル廻りの物すべての相性までは
気がまわらずに居た事を確認・・・・勉強になりました。望みの器には会えなかったけれど
カップを2つお買い上げ頂き関西に戻られたお客様が帰り際に、このカトラリーを差し出し
「預かって下さい。」と渡していかれた。後日、メールでのやりとりの中で「戴いた宿題の
回答を探しておきます。」と送信したところ、次の様に返信されて来ました。
「お預けしたのは宿題ではありません。また沖縄へ戻って来る為の切符です。」と、
一組のカトラリーは受け取り方によって「宿題」にも「切符」にもなるのでした。